「そんなことでいいんすかぁ?」を「そんなことがいい」と思えるようにするには

「グループになって、『最近楽しかったこと』をお互い紹介し合ってください。1分間程度でね。」と

学生になげかけると、

 

「先生、楽しかったことなんてないっす」

「そんなこと急に言われたって・・・」

 

「じゃぁ、ラッキーだったことは?」と続けてきいてみると

 

「え~ッ ないっすよぉ~」

 

教室を回っていると、あちこちから「ない」が聞こえてきます。

「今朝、電車が事故で止まってしまったんです。

仕方ないからバスで行こうと、大急ぎでバス停に降りて行ったら

目の前にバスが止まってて、おまけに座れたのよね。

ほんと、ラッキーだったわ、私」と話したら、

 

「そんなことでいいんすかぁ?」と学生の反応。

「それならあります。この間、ジュースの自動販売機で

『もう一本もらえる』が、あたりました~!」

 

楽しいことやラッキーなことを体験しているのに、

気づいていないのです。

 

「発表する」「人に伝える」のときに

「立派なこと」を言わなければならないと勘違いしています。

「炊き立てご飯はおいしいね」とか

「今日は電車の窓から富士山が見えたからラッキーだ。きっといい一日だ」とか

「電車の乗り継ぎがスムーズにいって、よかった」とか

 

こうしたささやかなことを語り合う場がほとんどないままに育ってきたのでしょう。

 

ささやかなことに目をむけることが、「うれしい、たのしい」に敏感になり

感謝の気持ちも育つのだと思っています。

 

「日常のささやかなことを、学生と語り合う」ができるのは、幸せな仕事です。