Hさんの実家は自営だったそうです。親が経営する工場を遊び場に、
つねに働いている両親を見て育ちました。
「Allways3丁目の夕陽」のようなところだったと言います。
Hさんの子ども時代の話は、とてもおもいしろいものでした。
「私ね、幼稚園に3年いくことになってたんですけど、
2年目、いまでいう年中さんの1年間、休学したのよね。
毎朝お友達が迎えにくるんですよ。
母がそのお友達に、『Hは具合が悪くて、今日お休みするの』と
ビスケットを渡しながら言ってて、
そんなことが何日が続いて、結局1年間休んだんですよ」
「先生が嫌いだったの。うそつくから。
だってその先生、大人と話しているときと子どもたちと話しているときと
ちがうんだもの」
4~5歳で自分の気持ちと考えを親に伝え行動したHさんに興味はつきません。
魅力的な60代女性です。
Hさんの行動力は、子どものときから続いているものだと知りました。
幼稚園に行きたくないと言いだした娘を、その理由をきちんと聴いて受容し、
先生や幼稚園を責めるでなく、娘を無理に登園させるでなく
1年間休ませたご両親に感心します。
私には出来るだろうか・・・無理だろうな・・・と思いながら聴きました。
「でもね、お友達はみな毎日幼稚園に行ってるのに私は行ってないでしょ。
家にいてもたいくつしちゃうし、近所に遊びに行ってもあきちゃうし
『こんなことしてちゃ、私のこれからの人生にムダだわ』と思ったの。
それで、3年目は幼稚園行ったのよね」
と、またまたびっくりの子どもです。